コラム

うさぎの奥歯は、伸びているだけで削るとは限りません

コラム

「奥歯が少し伸びていますね。」

うさぎの健康診断や食欲不振で来院された際、このような状態が見つかることは珍しくありません。

うさぎの歯は、一生伸び続ける常生歯です。

本来は牧草などを食べることで自然にすり減り、適切な長さが保たれています。

そのため、奥歯が少し伸びていること自体は珍しいことではありません。

だからといって、歯が少し伸びているだけですぐに歯を削るとは限りません。

処置が必要かどうかは、口の中の傷や痛み、食べ方などを総合的に判断しています。

そのため、歯の形だけではなく、

  ・頬や舌に傷ができていないか

  ・食べるときに痛そうにしていないか

  ・食欲や体重に変化はないか

  ・歯以外に食欲低下の原因はないか

などを確認したうえで、その子にとって処置が必要かどうかを判断しています。

うさぎが食べなくなると、「歯が原因では?」と思われることがよくあります。

もちろん歯の病気が原因のこともあります。

しかし実際には、胃腸の動きの低下や他の病気など、歯以外の原因で食欲が落ちていることも少なくありません。

そのため当院では、歯が少し伸びているという理由だけで処置を行うのではなく、

「その歯が今、本当に症状の原因になっているのか」

を大切に考えています。

次のような様子が見られた場合は、一度受診をおすすめします。

・食欲が落ちた

・牧草を食べなくなった

・ペレットや柔らかいものばかり食べる

・食べている途中でやめてしまう

・よだれが増えた

・涙が出る

・体重が減ってきた

これらは歯が原因の場合もありますが、胃腸の病気やそのほかの病気が隠れていることもあります。

歯科処置は、必要な場合にはとても大切な治療です。

一方で、すべてのうさぎさんに同じ治療が適しているわけではありません。

当院では、お口の状態だけでなく、食べ方や体重、全身状態も含めて、その子にとって本当に必要な治療をご提案しています。

「歯を削ること」が目的ではなく、その子が無理なく食べられ、快適な生活を続けられることを大切にしています。

「奥歯が少し伸びている」と言われたからといって、必ずしもすぐに処置が必要とは限りません。

一方で、症状がある場合には、歯科処置が必要となることもあります。

治療方針は、お口の状態だけでなく、その子の食べ方や体重、全身の状態によって異なります。

「歯を削るべきなのか」「様子を見ても大丈夫なのか」など、ご不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。